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明尾 潔*; 浜田 信行*; 舟山 知夫; 小林 泰彦; 川田 久美子*; 明尾 庸子*
no journal, ,
L-ドーパが網膜血管に到達し、活性酸素による膜リン脂質の傷害を防御するグルタチオンペルオキシダーゼ(GPX)の発現に細胞レベルでどのような影響を与えるかヒト培養網膜血管内皮細胞(REC)を用いて検討した。さらに、L-ドーパ投与後の培養RECに細胞内の一定の部位で電離を起こすイオンビームを照射し、イオンビーム照射によるGPX発現への影響も観察した。L-ドーパ(250M)投与後の樹立化されたヒト培養RECにイオンビーム(イオン種,加速エネルギー)(C 220MeV, He 50MeV)を20Gy照射し、0, 4, 8, 24時間後に細胞を採取、RNAを抽出した。RNAより作られたcDNA,プライマー,Cyber-greenを混合した後、GPXとリボゾーマルRNA発現をLightCyclerによりリアルタイムで定量的に解析した。L-ドーパは投与後のいずれの時間においても培養RECのGPX発現を抑制していた。イオンビーム照射はHe 50MeVとC 220MeVのいずれも培養RECのGPX発現の抑制を回復させる傾向にあった。L-ドーパは培養RECにおけるGPXの発現を抑制するが、イオンビーム照射はエネルギーを狭い一点に集中的させ、膜損傷などの傷害を防御し、GPX発現を誘導する可能性がある。